化粧品・日用品の動物実験とは?
単回投与毒性試験
ラットやマウスを絶食させ、試験物質を強制的に投与し、ラットやマウスの半数が死ぬ致死量を調べる。半数が死ぬまで実験を繰り返し行う。
単回投与毒性試験 例
犠牲となる動物・・・ラットまたはマウス 一群5匹以上
投与経路・・・強制経口投与(無理やり口から投与する)・・・なお、投与前は絶食させる
投与回数・・・1回
試験結果の評価方法・・・肉眼での観察
毒性の徴候を、種類・程度・発現・推移・可逆性を、観察し記録する。観察期間は14日間。
観察期間中に死亡した場合のみならず、観察終了後生き残った動物も全て殺し、解剖する。
皮膚刺激性試験

ウサギやモルモット、マウスなどの背中の毛を剃り、そこへ3日〜2週間試験薬を塗り続けて、化学物質が皮膚にもたらす影響(炎症や損傷状態)を調べる。
皮膚一次刺激性試験 例
犠牲となる動物・・・白色ウサギまたは白色モルモット 1群3匹以上
試験方法・・・除毛し、試験物質を塗擦する。
試験結果の評価方法・・・肉眼での観察
投与後、24・48・72時間に投与部位の肉眼による観察を行ない、判定する。
連続皮膚刺激性試 例
犠牲となる動物・・・白色ウサギまたは白色モルモット 1群3匹以上
試験方法・・・除毛し、試験物質を塗擦する。一日1回、2週間繰り返し投与する。(原則的に一回ごと洗い流したりの処置は行なわない。)
試験結果の評価方法・・・肉眼での観察
投与期間中、毎日、投与前に肉眼で観察する。また、最終投与の24時間後にも肉眼で観察する。
眼刺激性試験
世界的に批判が多く、信頼性も低い実験法。ウサギは涙が流れにくいので、この実験法に最もよく使われる。頭だけが出る拘束器に入れられ、まぶたをクリップで固定したウサギの目に濃縮した試験薬を点眼してゆき、刺激性を調べる。
眼刺激性試験 例
犠牲となる動物・・・白色ウサギ 一群3匹以上
試験方法・・・片方の目の下まぶたを、眼球から引き離し、結膜嚢内に試験物質を投与し、上下のまぶたをあわせる。
もう一方の目は、対照のため未処理のまま残す。
試験結果の評価方法・・・肉眼での観察
投与後、1・24・48・72時間後に目の観察を肉眼で行なう。
光毒性試験
モルモットやマウスの背中に試験薬を塗布し、太陽光線による化学物質の作用を調べる。塗布した部分はアルミホイルで覆われ、UVランプが照射され続ける。
基礎知識
化粧品とは?
「化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なものをいう。」(薬事法第2条第 3項)
日本の法律
化粧品において、動物実験の義務はありません。それは、新規物質を使う場合においても同様であり、企業の責任のもとに安全性を確認すれば良い事になっています。
従来販売前に承認申請及び許可が必要でありましたが、2001年4月の薬事法改正により緩和され、販売名のみの届出となりました。
2001年4月から、化粧品への「防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素以外の成分配合の禁止・配合の制限(以下ネガティブリスト)」及び「防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素の配合の制限(以下ポジティブリスト)」を、化粧品基準として定め、化粧品基準の規定に違反しない成分については、企業責任のもとに安全性を確認し、選択した上で配合できる事になった。
つまり、これまでは、「配合してもいいリスト」を定め、そのリストにない成分の配合に際し、安全性テスト(動物実験)のデータの提出が求められていた。しかし、2001年4月からは、「配合してはいけないリスト」「配合量に規制のあるリスト」を定め、それら成分を含まない限り、新規成分を含めて承認許可が不要となった。
ネガティブリスト
@配合を禁止されている成分のリスト(配合禁止成分)
A化粧品の種類または使用用途により、最大配合量に制限のある成分のリスト及びその最大配合量(配合制限成分)
@Aに違反しない限り、企業責任において選択、配合できる。
(防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素を除く→ポジティブリストの説明を参照)
化粧品は、添加剤としてのみ使用される成分を除く医薬品の成分を配合してはならない。
ポジティブリスト
防腐剤と紫外線吸収剤について、全ての化粧品に配合の制限がある成分・化粧品の種類により配合の制限がある成分が規定されている。
*防腐剤とは、化粧品中の微生物の発育を抑制することを目的としたもの。
*紫外線吸収剤とは、紫外線による有害な影響から皮膚や毛髪を保護するために紫外線を特異的に吸収するもの
化タール色素については「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」を準用。粧品は、添加剤として飲み使用される成分を除く医薬品の成分を配合してはならない。
動物実験が必要な例
ポジティブリストに新たな成分を追加する場合・配合制限の変更を求める場合にのみ、安全性試験のデータ(動物実験)が必要となる。
必要な試験は、
- 単回投与毒性
- 反復投与毒性
- 生殖発生毒性
- 皮膚一時刺激性
- 連続皮膚刺激性
- 感作性
- 光毒性
- 光感作性
- 眼刺激性
- 遺伝毒性
- ヒトパッチ
- 吸収
- 分布
- 代謝
- 排泄
(ヒトパッチ以外全て動物実験によるもの。)
マウスやラット、犬や猫、猿などの動物と人間では、薬物や化学物質の反応は異なる。
また、実験される動物の個体差も大きい。
さらに、動物が監禁・拘束された状態で強制的に投与される状態と、人間が使用する状況とは大きく異なる。
これらの条件を見ても、動物実験から得られる'安全性'データは正確なデータとはいえない。
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